陶芸をはじめて4ヶ月の半ば。作ってみたいものがたくさんありますが、雑誌で見た縁にしのぎが入った白い洋皿が気に入り、参考にして作ることに決めました。土は一度使ってみたいな、と思っていた笠間の土を使って作ることにしました。笠間の土はきれいな山吹色の土ですが、焼くと赤みがかった色に変化する赤土の分類だということを教えていただきました。釉薬は白のマット系をイメージしています。

笠間の土で作成

笠間の土

しのぎの洋皿は今回はじめて使う笠間の土を使って作ることにしました。見た目には滑らかそうできめが細かい土というイメージを持っていましたが、実際に手にとって練ってみると、ずっしりザラッと少々荒い感じがしました。例えると、笠間の土は小麦粉ではなくてそば粉といったところでしょうか。

土台は7ミリのたたらに

たたら

土練りが終わり作業開始。まずは7ミリのタタラに伸ばすようにアドバイスを受けました。タタラに粘土を伸ばすときは、外に向けるようにして粘土を叩き土を締めることが大切だと教えていただきました。その後に綿棒でしっかりと押し伸ばしていきます。

作りたい大きさに型紙を使ってタタラをカット

型紙

タタラに広がった粘土を目の前にいい加減さが出て、大きさや形はだいたい目分量でカットすればいいかな~と思っていた私ですが、「どのくらいの大きさにしたいのかをまず考えて、ちゃんと型紙を作ってやったほうが、後々いいはず」と先生が言ってくださいました。型紙を作るのはとても苦手でしたが、簡単なやり方を教えていただき、型紙に沿って粘土をカットしました。

粘土を積んで縁を立てる

粘土を積む

型紙を使ってカットされた土台に、粘土で紐を作って1周積み上げていきます。この時、まん丸ではなく楕円形なので、板の上で作業していると、こんな形でもロクロに乗せて作業したほうが作業効率が良く、作品のバランスも整うということをアドバイスしていただきました。勉強になることは絶えずあります。

コテを使って縁を整える

粘土を均す

さて、積んだ粘土部分の立ち上がりの角度を均等に倒すのに四苦八苦しながら困っていると、見かねた先生が木の成形ゴテの使い方を教えてくださいました。教えていただいたように使ってみると、きれいに縁が整ってきて感激です。
道具ってすごい。長い部分のカーブはこれでバッチリ。しかし短い部分はカーブキツく、同じ道具ではえぐれるなどして角度をつけずらかったので、今度はもう少し角度のゆるいコテに変えたりしながら均等に縁を倒していきました。

おおまかな形が完成

お皿づくり

「ヘリは親指と人差指の2本を微妙にずらしてつまむようにしながら外側に少しカーブを作ってあげるの」というアドバイスに「なるほど」

お皿の裏を整える

高台を削る

底の部分を削って整えてからしのぎの模様を入れるために、ここで一旦ドライヤーを使って少し粘土を固めました。
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ここで12時、お昼休憩です。先生がお茶を入れてくださいました。私のお昼メニューは、またコンビニのサラダパリパリ麺。45分から作業再開…。
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お昼の時間が終わって作業に戻ると、ちょうどいい具合に固まった粘土。裏返して高台部分を削ります。底の部分は厚めに取ってあったのでかなり削れます。調子に乗って削っていたら一瞬穴が?!と焦りましたが、粘土に気泡が入っていただけでした。土練りもしっかりしないといけないな。
底の厚みに余裕があったので高台をつけたかったのですが、乾く過程でお皿の底が反って歪むのが怖かったので平のままで形を整えました。お皿の裏を削っていると底がしなってくる感触が伝わってくるので、また裏返してはググッと押さえて平らに直し、また裏返して素早く整え、また表にしてそこをグイッと押さえて…。と、お皿の底が反らないように気を使いました。

いよいよシノギを入れる作業

シノギを入れる

全体の形が整いました。「ある程度削れるくらいに固まったら、しのぎを入れていいわよ」と先生。いよいよしのぎを入れ始めます。まずは鉛筆でラインを下書き。そのラインに沿って最初は大まかに削っていくそうなのですが、いざとなると初めて入れるシノギに勝手がわからず、最初の1本がどうしても入れられません。とうとう「先生、最初の1本を入れてもらってもいいですか?!」とお願いしたのでした(笑)

間をつなげるように仕上げた

しのぎを削る

先生の手ほどきの後、ステンレスの丸い先が付いた器具を貸していただき、言われたようにして印をつけた枠に2本づつ彫りを入れていきました。はじめはとりあえずざっくりと均等に間隔を取ってしのぎを入れて、あとからきれいに整えていこうと間隔に注意しながら1周しました。まだ完成ではありませんが、全体にしのぎが入るとなんとなく雰囲気が出てきました。「なかなかきれいに入ったじゃない」と先生。

シノギ完成

シノギ

見本にしたお皿の画像を参考にしながら、なるべく近づくように形を作っていきます。最後にうっすらとお皿の縁ギリギリにラインを入れたところで午後4時半。完成~。
見本と同じように作ったつもりだけど、なぜか野暮ったく見える。もうこれが今の私の限界かな。

お皿が反らないように底にラインを3本

お皿の底にライン

先生が、お皿など平らで長いものや大きなものは、乾くときに粘土が収縮して反ってしまうことが多いから、それを防ぐために、底の部分にラインを3本ほど削っておくといいと教えて下さいました。更に上に新聞紙を敷いて重石を乗せて帰りました。

釉薬は白マットを掛けました

白マット釉薬

素焼きが終わった洋皿を釉薬掛け。つや消しの白マットを選んでみました。お皿の裏に撥水剤を塗って釉がかからないようにしてからよく混ぜた白マットにドボンと入れて最後の一滴が落ちるまで待ちます。

本焼きして完成した洋皿

洋皿完成

本焼きが終わって完成したしのぎの洋皿です。素朴な感じに仕上がりました(笑)

洋皿にフルーツサンド

フルーツサンド

さっそくできたてホヤホヤの洋皿を使って作ったフルーツサンドを載せてみました。