陶芸教室に通いはじめてまる2ヶ月が過ぎ、先生の手ほどきのおかげでお雛様や花瓶、酒器など、作りたいものに挑戦させもらえている私。今回、3月に入って最初に作りたいのは、少し異色の石仏の作品の如意輪観音像。先生に相談したところ「私もはじめてだけど、やってみましょう」と快諾していただき、作品作りが始まりました。
石仏・如意輪観音像
私が如意輪観音を作るきっかけになったのは、石仏研究会に所属されている知り合いの方に陶芸を始めたこと話したとき、「陶芸作品で仏像とかできるの?こんな感じの仏様、そのうち作ってほしいなぁ」と画像をもらったことでした。お雛様や花器、酒器などを作って、「次、何を作ろうかなぁ」と思っていたところだったので、思い切ってプレゼントの観音様を作ってみることを決めました。
粘土の調合
「どんな風合いにしたいの?」と聞かれ、「石仏なので、石の風合いを出したい」と答えると、先生による粘土の調合が始まりました。まずは、自分の持っていた残りの粘土、エヌシロ、黒、混ざりの土を合わせた50グラム。そこに新たに加えたのは、ザラつきのある小信楽の細80グラム、石らしい色にする黒土20グラムで、粘土は今回 約1.5キロ使用します。
粘土はまんべんなく混ざるように、細くカットしてそれぞれの種類を順番に重ねていきます。
粘土はよく混ざるように
細く切り、段々重ねにしたものを上からグ~~ッと押しつぶすように圧縮しよく捏ねるということを先生が実践してくださいました。そして完全に混ざってしまう手前で動作を止め、「この段階がマーブルというの」と、わざとこの模様を出して作品にする人もいるということを教えてくださいました。
北海道の粉で石感をプラス
先生が今度は、混ぜている途中の粘土に荒い粒子の砂のようなものをキャップに少量振り入れました。これは「北海道の粉」というもので、練上がりの粘土につぶつぶ感が出て、さらに石感が増すようにするそうです。
タタラ粘土で光背を作る
粘土が均一に練り上がったら、まずは光背作り。7ミリの薄さに伸ばした粘土を、ゴムベラで表面を均し高台の型紙に沿ってカットするのですが、カッターできれいにカットするのではなく、先生のアイデアで、型紙に沿って粘土の表面だけにピンを使ってラインを引いたら、線に沿って手で引きちぎるようにすると、カット部分がほんとうの石の風合いになったのを見て、思わず「お~」と言ってしまいました。
粘土にタオル地の模様をつける
次は「naokoさん、粗目のタオルを一枚と、太めのパイプを持ってきてくれる?」貸出用のタオルの中でいちばん生地が粗そうなものと、水道管に使われるようなプラスチックのパイプを持っていくと、先生はパイプに粗い生地のタオルを巻きはじめました。「何をするのかな?」と思っていたら、光背の部分のタタラの粘土を乗せてグイグイと押し付けはじめました。そしてタオルとの接触面の粘土を見てみると、なんと、石のゴツゴツ感を見事に表現していました。
次々と打ち出されていく先生からのアイデアにはとても感心させられてしまいます。
台座の作製
光背の大きさに合わせて台座の作製に取り掛かります。タタラに伸ばした粘土でただ箱型に作ったとしても、本体を乗せた時に真ん中がひずんでしまうので、内側に柱を何本か入れて補強をしていきます。補強用の柱部分は紐の粘土を使ってしっかりと接着していきます。
台座が完成
柱を入れた台座の四方をタタラの粘土で覆ってバランスを見て表に向けると台座のできあがりです。この上に乗る観音様を計算して作った大きさです。先程のタオルを使って、台座にも石感を出すために模様をつけていきます。
台座に光背を接着
台座も光背も作ってから少し時間が経って固くなってきてしまったのでドベを使ってしっかりと接着していきます。固まりかけている光背のカーブが、台座のカーブとちょっと合っていなかったので、濡れタオルで湿らせながら光背のカーブを台座に合わせていきます。
角の部分にはヒモにした粘土を置いて、つなぎ目を埋めるように接着していき、台座と光背を一体にしました。
いよいよ本体づくり
次はいよいよ本体づくり。光背と台座に合わせて体とその上に頭を載せて大まかに形を作って大きさと配置を決めます。今はまだカッパにしか見えませんね。
表情づくりは難しかった
あまりに没頭しすぎて途中経過の画像を取り忘れてしまうほど集中してしまい、終了時間間際にはここまでできてしまいましたが、苦労して何度もやり直ししたのは顔でした。仏様のお顔なので、人間を感じさせない「無」の表情をテーマに仕上げたつもりです。自分ではなかなかいい表情に表現できたのではないかと納得で終わることができました。
服の部分は先生がタタラの粘土を織り込んで素敵にヒダを付けてくださったので、それをドライヤーで乾かしてカギベラで整えるともう終了の時間がきてしまいました。右腕に比較して左腕の長さが長いのと、羽衣の部分を次回直すことにしました。
次回は髪の毛を付けたりするので、粘土が乾ききらないように、如意輪観音は発泡スチロールの箱にしまって帰りました。
今回はここまで。
2回目の作業|いい顔に仕上がりました。
先生にお手伝いしていただきながら、製作を始めた如意輪観音。前回は全体の形を作りましたが、2回めの今回は、髪を作ったり、蓮の花を持たせたり、全体を整えるなど、細かい作業を重ね完成まで。完成した作品を見て「すごい。いいお顔にできたねぇ」とお教室の方たちから褒めていただきました。