前回から作り始めた如意輪観音、1日目は途中で時間が来てしまい、土が乾ききらないように発泡スチロールの箱に入れて保管して帰りました。今回はその続きで、髪を作ったり、蓮の花を持たせたり、バランスの悪い箇所を修正して全体を整えるなど、細かい作業を重ね完成まで。如意輪観音像の仕上げ作業です。

光背を鋭角にカット

石仏 光背

前回、光背を作ったのですが、依頼者に伺ったところ、もう少し角度を鋭角にしたほうがいいということで、丸みのある部分を加減をしながら鋭い形のカットしました。やり方は、前回先生に教えていただいたように、ピンかカッターでラインを引いて、そこに沿って引きちぎっていくイメージ。今回は粘土が少し硬くなっていたので、引きちぎるというよりは、折るというふうになりましたが、なかなかいい形ができました。

蓮の花の蕾(つぼみ)を作る

蓮の花のつぼみ

見本で頂いた如意輪観音の画像には、観音様が左手に蓮の花を持ってらっしゃるのを思い出しました。ちょうど膝の上に置いた左手につぼみの蓮の花を持たせたいなぁ。見よう見まねで自分なりに蓮の花を作ってみることにしました。
 
私が作った蓮の蕾を見て先生が「蓮の花はそうじゃないわ。蓮の花ってこうなっているのよ」とスケッチして見せてくれました。それを見て「ほんとうだ!蓮の花だ」と思いました。先生の絵を参考にしながら、何度も作り直し、ようやく納得の蕾ができ、先生に確認を取ると「いいですね」とOKをいただき、ホッ。
 
蓮の花を作る時は、ちゃんと蓮の花に見えるつぼみを作らないといけないんだな、と当たり前のことなのですが、改めて思わされました。

蓮の花を持たせた

如意輪観音

できあがった蓮の花を観音様のどの位置に置くか、ということもバランスを考える上でととても大切、と先生がいっしょに位置を考えてくださいました。肩の上の高い位置に置くことを決め、ドベを使って接着しました。さっきよりも花を持たせたこっちのほうがやっぱりステキ。

羽衣と左腕のバランスを直す

如意輪観音と蓮の花

肘をついた右手に対して、左手がひょろっと長くなっていたので、バランスを取るためにお直し。長さをカットして、肘の関節を作ります。続いてのお直しは羽衣のような肩からかけた布。肩の部分の布を少し細くして肌をもう少し出すようにしてみると、優しい雰囲気が出ると思います。左側だけ長くして、蓮を持った左手の上にかかるように垂らすことにしました。
 
午前中の作業はここで終了。

お昼は町中華のエビチャーハン

一区切りついたらちょうど12時。今日のお昼はご近所の中華屋さんのエビチャーハンです。大きなエビがゴロッと入っていてとても美味しかった。わかめスープがついてきました。もちろん完食。

髪の毛と髪飾り

お昼休憩が終わって午後の作業では、髪と髪飾りを作り装着します。本体の方は、もうだいぶ乾いてきて固くなりかけているので、作っている間、濡れタオルをかけておきます。完全に乾いてしまったものに水分が多いものを付けてしまうと、ひび割れの原因になるので気をつけなければなりません。
 
髪は頭の上で結んで、大きな石の装飾がある髪飾りをあしらえました。たっぷりのドベを頭と髪の毛の内側にも塗って接着しました。坊主の観音様も好きだったけど、髪が付くとまた雰囲気が増しました。これで本体部分はほぼ完成です。あとは台座に接着するだけ。

光背に入れた梵字

接着する前にもう一仕事ありました。これ(観音像)をお渡しする人から「できれば如意輪観音を表わす「キリーク」という梵字(ぼんじ)を光背に入れてもらえませんか」とお願いされていたのです。
 
はじめは彫って梵字を入れようと考えていたのだけれど、紐状の粘土を盛ってみたらどうかしら、と思い浮かび、その方法で梵字を入れました。細い粘土は乾燥に弱くプツプツとちぎれてしまって、思った以上に苦労しましたがなんとか完成。梵字が入るとまた石仏感が増します。

如意輪観音 完成

観音像の着物のヒダなど、空気が入っていそうな箇所にキリで穴を開けました。焼いた時に爆発したりしないように空気が逃げる穴を作っておくのです。そして最後に、光背がついた台座に、如意輪観音を粘土でしっかりと接着。台座に座った如意輪観音像がとうとう完成しました。あとは素焼きと、釉薬を付け本焼きをしたらほんとうに完成となります。
 
乾燥させるので、机の上に置かせていただいている間に、ほかの生徒さんの目に触れる機会があり、「頑張ったね」「すごくいいお顔にできたね」と皆さんが褒めてくださいました。先生からいろいろな技を教えていただきながら楽しく作ることができ、思い切って挑戦してみてほんとうに良かったな、と思いました。

一回目の作業の様子